私の恋は、あの時から始まった。

私達は、授業の教室へと移動している。

「えっ、陽華好きな人いるの!?」

親友の麻友が声を張り上げた。

「ちょっと!真由声でかい!」

「あはははっ、ごめんごめん!え、で誰なの?」

「えっとね、それはー…あ、先輩こんにちは!」

「おぅ、ういっす」

 綺麗なさらっとした髪の毛。ハッキリとした二重で大きい瞳。包み込んでくれるような笑顔。このすれ違った先輩こそが私が今恋している人だ。