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「正面の植木の所にいる人、カッコよくないですか?誰か待ってるのかな?」

仁美ちゃんのはしゃいだ声が聞こえてきたのは、取り掛かっていた仕事がちょうどひと段落したところだった。

彼女の日課は大通りを歩いている人の中から好みの男性を探すことなのである。

オフィスの窓から見えるこの大通りは、オシャレスナップ撮影場所の聖地として有名らしい。

仁美ちゃん曰く、イケメン率65%という目の保養に最高の環境なのだそう。

「ね、青山さんも見てみません!?」

「えー?」

どうやら仲間を見つけようと虎視眈々と狙う仁美ちゃんのターゲットにされてしまったようだ。

「スーツ萌えはしないタイプなんですけど、めっちゃかっこいいんですって!!」

「スーツ?この平日に?」

学生ならいざしらず、平日の日中に暇してるサラリーマンなんているものか。