バシッ! 「いって!」 頭に硬いもんが投げつけられて、思わず叫んだ。 何だよ誰だ! キレながら周りを見ると、油良が涙目でこっちを睨んでいた。 頭に当たった物を見る。 それは、ハンカチにくるまれた弁当箱だった。 これってもしかして……俺が作れって言ったから? 油良を見ると、走って教室を出ていった。 「油良!」 弁当箱を拾って、油良のあとを追いかけた。