「油良ぁ、行こうぜ」 「あ、えぇ」 午前の授業が終わって、昼休み。 一番前の席の油良に、後ろから声をかける。 油良は鞄に教科書とノートを入れて、弁当箱を取り出す。 立ち上がって、俺の横に並ぶ。 最近、油良が積極的になった。 俺が女と話してると、何かしら理由をつけて俺を教室から連れ出すし、前に出された条件も、忘れてくれって言ってたし。 油良も、俺のことちゃんと好きなんかな、って実感した。