「じゃあ、班ごとに分かれてください」

遠藤さんが〆の一言を言うとみんな一斉に動き出しました。
これぞまさしく民族の大移動なのですよ。

キョロキョロ。
さぁ、石田さんとコイケンさんは~どこかな~。

え?わかります?
はい、あの2人のことは考えないようにしてるんですね。ハハハ。


「ヨッパ~」

コイケンさんと一緒にいた石田さんが壇上の近くで手招きしながら呼んでます。

ヨッパはよけいなんですけどね。
でも、発見してくれたのは嬉しいですね。へへ。

急いでおふたりのもとへ駆けつけましょう。


「お前、走ってるか歩いてるかわかんねぇな」

到着するや否や、石田さんはそう言って意地悪く笑いました。

「えー、マッハで走ってましたよぉ」

「へぇ。オレにはスロー再生にしか思えなかったけどな」

「ハイハイ」

もうテキトーにあしらってあげるのです。プンプン。

はい、とてもじゃないけど、石田さんと口撃し合っても勝てる気がしませんもんね。
負けるが勝ちというヤツなのです。