「ほんとな。でもどうこうするつもりないから。星那に幸せにしてもらえよ」



ぽんぽんっと愛來の頭を撫でる。



「智志くん…」


「最後にするから抱きしめていい?」



智志の言葉に不安そうに俺をみる。



「最後だし、1度だけならいいよ」



俺は愛來に笑顔を向ける。



「星那がああ言ってるからいいよ」


「ありがと」



智志が愛來を抱きしめる。



「ずっとこうしたかった」


「…うん」


「俺がこれからの未来にいたかった」



抱きしめたまま言葉を続ける。



「俺をすきになってくれて、俺に好きにならせてくれてありがとう」



智志が愛來を離す。



「もう行けよ」



智志の言葉に俺はソファーから立ち上がる。



「智志、ケジメつけさせてくれてありがと」



俺は智志にそう告げて、智志の部屋を出る。