「帰っていい?」


「は?」


家にきてくれた愛來がコンビニで
由月と智志に会ったみたいだから
あの2人の馴れ初め的なのを話していた。


急に発された言葉に頭が真っ白になる。



「帰りたい」



愛來はやっぱりそう思っていて。



「なん、で?」



俺はゆっくりときく。
なんか悪いことを言ったつもりもなかった。



「帰りたくなったの」


「だから、なんでって」



俺は愛來の腕をつかむ。



「嫌!」



拒絶の目をして俺の手を払い除ける。



「…愛來」



愛來に拒絶されたことなんて一度もなくて。

振り払われた手を見つめることしかできなかった。



「…ごめん」



そう謝ることしかできなくて。



「何に謝ってんの?」



愛來が冷たく言い放つ。