【Sena Side】



「よしっ」



俺は鏡をみて声を上げる。



「気合い入ってんなー」



泰志がおかしそうに笑う。



「うるせーよ」


「あれー?昨日緊張するーどーしよーなんて言ってたのはどこのどいつだっけー?」



俺の頭をグシャグシャにする。



「おまっ!せっかくセットしたのにふざけんな!」



もう1度鏡を見てクシでとかす。



「そんなカッコつけなくてもいつもの自分でいけよ」



俺の肩をぽんっと叩く。



「って言ってもさーなんか失敗しそうで」


「会社の憧れの的の如月さんを好きな子たちがみたら悲しむねー」


「知らんし。そんなやつらどーでもいいし」



頬をバチンと叩いて自分に気合いを入れる。



「まー、ついにプロポーズかぁ」



泰志が感慨深そうに呟く。



「なんだよ」


「幸せになってもらいたい二人だからよ」


「まぁ、さんきゅー」