「あ、つぎうちの部だ」



早瀬が顔を上げる。



「早瀬の部か」



一応見とこ。
そう思って、壇上みあげる。



「みなさんこんにちは。営業第一部部長の如月です」




あたし達に親しげな笑顔を見せる
営業第一部の部長如月という男性。



…なにこれ。


彼から目が離せない。



「愛來ちゃん?」



早瀬が不思議そうに聞いてくる。



「かっこいい…」



あたしは気がついたら呟いていた。



「愛來ちゃんもしかして…」



早瀬の言葉の途中で彼の口元をあたしの手で覆う。



「お願い黙って」



それ以上言って欲しくなかった。


自覚するには早すぎたから。


まだ話したこともないひとだし。
自覚なんてできない。