【完】キミにぞっこん

1階まで行ったエレベーターを再び上に戻す。


もう部署ついたかな。
思えば星那の部署ってあまりいかないんだよなぁ。



━━チーンッ



エレベーターがさっきいた階につく。



「美桜!」



エレベーターを降りると同時にそんな声がきこえる。



…え?
星那の、声?



少し遠くに見えるシルエット。
あれは星那と美桜さんだ。

どうして、どうしてふたりは一緒にいるの?

どうして、そんな焦り気味に美桜さんのことを呼ぶの?


遠すぎて小さな声は聞こえなくて。
何を話してるのかはわからない。


…お似合いだなぁ。


遠くから見えるふたりは
美男美女ってすっごくお似合いで。


自分がここにいることが恥ずかしくなってくるぐらい。


星那が美桜さんの頭を撫でるのが見える。

あたしにはこのままここで行くことなんてできない。そんな勇気なんてない。

その人に触らないで。
あたし以外て触れないで。