━━チーンッ



エレベーターが5階につく。



「じゃあ、ちゃんと帰れよ」



愛來の手を引いてエレベーターから降りる。



「じゃあ如月さん。来週」


「あー。またな」



そう言ったところでエレベーターが閉じる。



「愛來」


「ん?」


「なんでエレベーター乗ってこなかったの?」


「なんか、この人はあたしが会えなかった間星那にほぼ毎日会ってたんだなっておもったら…」



愛來が恥ずかしそうに自分の顔を隠す。



「ばーか」



俺は愛來の顔の前の手をはずす。



「会える会えないじゃない。どんだけ会ってても愛來以外を愛すなんてありえない話だから」


「…うん」



愛來が俺の手をぎゅっと握る。



「ほら、行こう」



俺の部屋へと歩く。



「ここ」



俺はポケットからキーケースをだす。



二ヶ月間使ってきたこの鍵とも
あともう少しでお別れだ。