「もういいからエレベーター乗るぞ。酔っ払い」



俺は桑名の腕を引っ張って歩かせる。



「ごめん、愛來。これ持ってくれる?」



俺のカバンを愛來に渡す。



「あ、うん」



愛來が俺のカバンを手に取る。



「如月さん、この人だーれ?」


「彼女」


「え?札幌の?それともこっちにも現地妻?」


「札幌のに決まってんだろ。ほらエレベーター来たぞ」



エレベーターに桑名を押し込む。



「愛來?」



エレベーターのボタンを押そうとすると、なかなかエレベーターに乗ってこない愛來に気づく。



「乗っていいのかなって」


「は?いいに決まってんだろ」



俺は桑名を引っ張ってた手を離して愛來の腕を掴む。



「なに気にしてんだよ」


「…なんとなく」



俺は自分の5階と桑名の10階を押す。



「如月さんの彼女ってとってもかわいいんですね」



桑名がニコッとわらう。