「あー早く会いてぇ」



気がつけば口にしている本音。



出張も残り1週間。
二ヶ月と愛來と離れてたことなんてなくて。



途中1回取引先の方の送別会にいったときに
たまたま愛來の大学時代のゼミの飲み会が同じ居酒屋だったみたいで会ったけど。


あの時は数時間しか滞在できないし、愛來に会えないから知らせてなかったらめっちゃ怒られた。


でも、会えたのはその時だけで。
こっちでの仕事はほぼ休みがなくて、帰ることができない。



帰ったらすぐに愛來に会いにいく。
決めてるんだ。



「如月さーん」



朝から元気な声。



「…はよ」



俺はそれだけ返してそいつの横を通り過ぎる。



「今日こそ帰り付き合ってくださいね?」



俺の腕に自分の腕を絡める。



「だから、俺そういうのいらないから」



そいつの腕を振りほどく。