「待ってるよ。帰ってくるの」


『うん。帰ったら真っ先に会いに行く』


「…うん」



星那はいま2ヶ月の短期出張に行っているの。

場所は東京。
ここは北海道だから寒い?とか聞いたけど、こっちの方が寒いのは明白だ。



「毎日電話してくれてありがとう」


『バーカ。俺がダメなの電話しないと』


「え?」


『愛來の声聞ける楽しみがあるから仕事も頑張れるんだ』



星那の言葉って
どうしてこんなにも心を暖かくしてくれるんだろう。



「ありがとう。星那」


『ん。また明日な』



電話を切るのは惜しいけど。

でも、切らなくてはならない。



「おやすみ」



電話はそこで終わった。