「考えなしごめん」



星那があたしを抱きしめる。



「どうして?」


「泣いてたから…」


「そんな泣いてたからって嫌だよ。2人でいられるのも嫌なのに」


「ほんとになにもないから。莱久がいま好きななのは奏汰だから」



星那の言葉にさっきの2人が蘇る。



「あいつらもう大学の頃から付き合ってんだ」


「え?」


「俺と別れてから付き合ったのが奏汰で。でも最近人気すごすぎて会えなくて。テレビの中でしか見れないからただのファンみたいっていつも泣いてんだ」



さっき莱久さんが大切な人って言っていたのをおもいだす。


「…そうだったんだ」


「今日も奏汰が近くにいるって思っただけであいつ崩れちゃって」


「…うん」