堕ちる花の一片を(オチルハナノヒトヒラヲ)



彼と私の間に倒れた3人の人達を踏まないように慎重に足を置きながら、彼の元へ進む。

彼はその間もただ立ち尽くしていた。


そして、彼の目の前にたどり着く。


そのときやっと、彼は私の存在を頭で認識したようで、ぎこちなく私の来た道から帰ろうとした。


「待って、逃げないで」


そう言うと彼はピタリと足を止めた。

振り向いて口を開く。


「俺に関わらないで」


冷たい声で、私と目もあわせようとしないでそう言った。


また歩き出そうとする彼を追いかけてその左手を掴んだ。