堕ちる花の一片を(オチルハナノヒトヒラヲ)



立ったまま動かない男の人の足元には、3人くらい人が転がっていて、どの人もぼこぼこにされているみたいで気を失っていた。


ほんとなら、こんな場面には関わらないで素早く逃げるべきだろう。

それに、いつもなら、関わりたくもなかっただろう。


だけど、見てしまったから。

その人の目を、


世界のなかで一人ぼっちみたいな寂しげな目を。


助けてあげたくなった。

教えてあげたかった。


あなただけじゃないって、私も1人なんだって。

そう言って笑って、抱きしめてあげたかった。


そんなのきっと、自分を慰めたいだけかもしれないけど。


だから私は彼の元へと進んでいった。