それからは有休の期間が終わっても
休みを取り続けた
塾長も許してくれた
側で桜が目覚めるのを待つのが
俺の唯一の償いじゃないか?
他に何が出来るんだ


よく小説などで見る言葉
“貴方は、貴方が人生を壊した人に
どんな償いをするんですか?”
“その人の分まで幸せになります”
果たして幸せになることはその人への償いに
なっているのだろうか

俺はなってないと思う

だって、人生を壊した人が幸せに
なっていても自分が幸せになるわけがない
ましてや、何故自分の人生を壊した人が
自分より幸せになっているのかが、
何故少しでも幸せを感じているのかが、
すごく不思議だ

俺が思うに“その人の分まで幸せに”だなんて
ただのエゴだ

本当に償えるのは、その人が受けた分の
苦しみを味わう事じゃないのか?
でも、それでも償えない罪はある
だったら、苦しんで苦しんで、踠いて、
最後まで抗って、その人の口から 許す、の
三文字が出るまで生きることが償いだと思う

相手がこの世にもういない場合、
いたとしても言葉を聞くことができない
状態の時は永遠に償うことの出来ない
罪だって自覚が持てるだろ?





「桜……」
多分俺は、目が覚めた桜に許されることは
ないんだろうな……
いや、逆だ

桜は優しいから許しちゃうんだろうな
俺のことも_______________