九ノ瀬side
目の前で泣く倉科さんを見る
突然電話がきた時は驚いた
しかも、泣き声混じりだったから
「もしもし、九ノ瀬です」
“もしもし”
「えっ倉科さん!?」
“うん”
「どうしたんだ?」
“今から会える?”
「良いけど、もしかして泣いてるのか?」
“…………”
「分かった、倉科さんの家どこ」
“○○○○-***”
「すぐ行く」
思ったより近いところだった
こんな20の大人が何本気で走ってんだろうな
車を使えばよかったのにな
だけどそれだけ倉科さんが泣いたことに
動揺してた
倉科さんは俺にとって大切な人だから
2年前
俺と倉科さんがまだ18歳の頃
俺は道路に飛び出た女の子を庇い
車にはねられた
それから3日間意識がない状態だったらしい
目が覚めた時、聞いたのは俺が庇った
女の子は変なところを強打してしまい、
植物状態になっているということだった
俺が助けなければ軽傷ですんだのか?
俺があの道を通らなければ女の子は
何も無かったのか?
それから何度も何度も同じ夢を見た
俺が女の子を庇い、大きなトラックが
ぶつかってくる
その後必ず周りの人間が“お前のせいだ”なんて
言ってくる
その目は汚物を見るようで、
軽蔑するような目で俺ひとりを見つめてくる
という夢
夢が原因で人と会うのが怖くなった
誰も皆、俺よ事を人殺しと呼んでいるような感じがして
2年経った今でも、トラウマレベルの記憶になっている
そしてある日、俺の部屋の移動が決まった
「こんにちは 倉科桜です」
その日から俺は変わった
いや、倉科さんが俺を変えてくれた
目の前で泣く倉科さんを見る
突然電話がきた時は驚いた
しかも、泣き声混じりだったから
「もしもし、九ノ瀬です」
“もしもし”
「えっ倉科さん!?」
“うん”
「どうしたんだ?」
“今から会える?”
「良いけど、もしかして泣いてるのか?」
“…………”
「分かった、倉科さんの家どこ」
“○○○○-***”
「すぐ行く」
思ったより近いところだった
こんな20の大人が何本気で走ってんだろうな
車を使えばよかったのにな
だけどそれだけ倉科さんが泣いたことに
動揺してた
倉科さんは俺にとって大切な人だから
2年前
俺と倉科さんがまだ18歳の頃
俺は道路に飛び出た女の子を庇い
車にはねられた
それから3日間意識がない状態だったらしい
目が覚めた時、聞いたのは俺が庇った
女の子は変なところを強打してしまい、
植物状態になっているということだった
俺が助けなければ軽傷ですんだのか?
俺があの道を通らなければ女の子は
何も無かったのか?
それから何度も何度も同じ夢を見た
俺が女の子を庇い、大きなトラックが
ぶつかってくる
その後必ず周りの人間が“お前のせいだ”なんて
言ってくる
その目は汚物を見るようで、
軽蔑するような目で俺ひとりを見つめてくる
という夢
夢が原因で人と会うのが怖くなった
誰も皆、俺よ事を人殺しと呼んでいるような感じがして
2年経った今でも、トラウマレベルの記憶になっている
そしてある日、俺の部屋の移動が決まった
「こんにちは 倉科桜です」
その日から俺は変わった
いや、倉科さんが俺を変えてくれた

