桜side

次の日も次の日も何も無いまま時間が
過ぎていった
まぁ、私としては何も無いほうがいい

だけど今日は少しいつもと違うことがあった
いつも通り授業が終わり外へ出ると……
「九ノ瀬君!? どうしたの?」
「倉科さん待ってた」
「え、どうして?」
「何となく、もう遅いけど少しいい?」
ふと腕時計を見ればもうすぐで21時をまわる
この時間なら全然平気だ
「うん、大丈夫だよ」
「ありがと」

九ノ瀬君が向かったのは塾から
そう遠くないカフェだった
「それで話って?」
「倉科さん、病気は本当に治ったのか?」
「え、どうして急に?」
なんか私質問してばっかりだなぁ
「だって余命宣告もされてたんだろ」
「うん そうだけど 気づいたら異常が
無くなってたらしいの」
「そっか」

それだけの為にわざわざ待ってて
くれたのかな

「九ノ瀬君ありがとね」
「え、何が?」
「ううん 何でもない」

バイバイ、とお別れをした
結局話し込んじゃって23時くらいに
なったけど
途中でお母さんに連絡したら
九ノ瀬君だったらいいって言ってくれた
いつの間に仲良くなってたんだろう
連絡先も交換した
そういえば高校以来友達と会ってない

「友達と会えるといいなぁ」

きっと向こうは私のことなど
覚えてないだろうけど

友達なんて、私には出来なかったけど______