いきなりすぎてびっくり。
 翼がわたしを誘った一言だけで、周りにいたクラスメイトが集まってくる。わたし、何もしていないのに。



 もしかして……。



 わたしは翼を振り返る。



 あいつはすでに違う友達と話していて、わたしの視線には気づいていないみたい。



 また、助けられたのかな。




「歩美ちゃん。いろいろ教えてよ」


「うん、いいよ」




 ホームルームが始まるまでの時間。わたしはクラスメイトに囲まれて、ゲームの話ばかりしていた。



 翼は時々、加わってきてわたしを茶化す。