【短】君と桜色のキス




「嘘……だよね」


「いつまで嘘つき呼ばわりするんだよ」


「マネージャー、可愛い子だったじゃん。絶対、付き合ってるでしょ!」


「付き合ってねえよ! だいたいそういう目で見たことない! 歩美以外は……っ」


「…………え?」




 なに?
 え、翼。今、なにを言ったの?
 どさくさに紛れて何を言い出したの……翼?



 翼の耳が赤くなる。
 何か言おうとするのをわたしは遮るように声を出す。




「わたし、迷惑かけたくない。いつも立ち止まって、わたしのペースに合わせてる翼を見てると不安になる。心配なんだよっ」




 翼の言葉を誤魔化すように、わたしは下を向いたまま訴える。