「ふざけんなよ、歩美」 「ふざけてなんか……っ」 「彼女なんていないって言ってるだろ!」 その真剣な眼差し。怒った顔。 翼は本当のことを言っている。 わたしの勘違い? でも、ずっと彼女がいるって思っていた。 好きな人がいるって思っていたわたしには、とても信じられないよ。 もう、翼のことが信じられない。 本当に嫌な女。 こんなに良くしてくれる翼を信用しないなんて、どうかしている。 だから、やっぱり離れるしかないんだよ。