「お願いだから……1人にしてよ」




 終わった。



 初日にわたしはこんな大声で叫んで、みんなの注目を浴びて恥ずかしい思いをして……。



 友達も彼氏も出来るはずがない。



 みんなに変な奴だって思われて、近づいてもくれない。きっとそうやって高校生活を送らなきゃいけないんだ。




「落ち着けよ、歩美」




 翼は人が集まりつつある昇降口を離れるために、わたしの手を引っ張る。