6月。

高2の夏がやってきた。

先輩たちの最後の夏。

「光陽!放課後一緒に帰らない?」

莉乃先輩がストレッチ中の光陽に声をかけた。

「あー。いいですよ」

断る理由もない光陽は、あっさりOKする。

いつも約束して一緒に帰ってるわけではない私は、〝私と帰るのに!〟なんて言えない。

「……ほんと莉乃先輩ってムカつく」

心春……。

嫉妬に満ちた心春の表情は、嫌でも中学のころを思い出してしまう。