光 ~光る太陽、光る向日葵~Ⅱ

「心春ちゃん。トランクから保冷ボックス持ってきてもらえる??」

心春〝ちゃん〟か。

今まで呼び捨てだった呼び名がちゃん付けに変わった。

それは私も中学時代に経験してる。

だから、案外傷つくものだって知ってる。

「私今忙しいんで、先輩が持ってきてくださいよ」

もともと裏表がある性格の心春は、監督の前ということもあり、仲睦まじい感じで微笑む。

「あっそう…」

莉乃先輩と心春の冷たい視線が絡み合う。

……怖っ…。

「じゃ、光葵お願いしてもいい?」

莉乃先輩は心春への態度とはあからさまに違う態度で私に笑いかける。

「わかりま─」

「自分で行けばいーのに」

「えっ?別に心春ちゃんには頼んでないじゃない。私は光葵に頼んでるの」