ということで、お部屋に入りました。

「ふー……疲れたぁ」

バス酔いする心春からしたら、バス移動は疲れるものなんだろう。

「今から練習だね。少し休憩したら体育ホールに集合よ」

旅館なのに体育館があるのがスゴい。

「はーい」

ふとした瞬間に心春と光陽の間接キスがよみがえる。

そして、過去に二人が私の目の前でキスした瞬間までもがよみがえる。

「……光葵ぃ。さっき間接キスしちゃったよ。光陽と」

小声で私に話しかけてくる心春。

心春に悪気はないのはわかってる。

わかってるけどイライラしてしまう。

私が光陽に思いを寄せてることを言ってないんだから心春は悪くないのに。

……また嫉妬か…。

「よかったじゃん。コクったりはしないの?」

偽りの笑みを浮かべて聞く。