「光陽!!」

私は躊躇なく光陽に駆け寄る。

「あれ?心春は?」

「…帰った」

「そう……」

「………」

「……優勝、だよ」

「…あぁ」

「よかったね!」

「………そうだな」

反応がイマイチ…。

「光陽、大雅のこと信じてたんだね」

「勘違いすんな。アイツの実力を信じてただけだから。もう俺帰る」

車椅子を器用に方向転換して車椅子用のスロープに向かう光陽。