なかなか構えに入れない大雅を見ると、緊張がヒシヒシと伝わる。

私まで緊張する。

大雅がフリースロー前にやるルーティーンに入った。

けど、途中でやめてしまった。

緊張が止まらないんだ。

「たいが……」

思わず、呟いてしまう。

大雅は、私の方をチラッと見て、ふわっと笑った。

〝絶対決めるから〟

そう言わんばかりの笑み。