光 ~光る太陽、光る向日葵~Ⅱ

今すぐ行きたい…。

光陽のところへ行きたい……。

でも、試合中だから……。

「行ってきなよ」

「え……?」

「光陽と口聞いてないんでしょ?バスケ部の情報網ナメてちゃ困る!ほら、行ってきなよ」

私が光陽の背中を押したように、莉乃先輩が私の背中を押してくれた。

「すぐ戻ります!」

先輩にお辞儀して、観客席へと駆け出す。

「黒瀬!?」

監督が驚いたような声を出したけど、スルーして観客席の階段をかけ上る。

光陽はたしか階段の左側にいた…。

だからこっちだ。