「心春、大丈夫か?飲み物買ってきたから」

え?

ペットボトルを心春に差し出したのは光陽。

「トイレ行ったんじゃなかったの?」

「まさか。出発前に行ったから」

じゃあ、トイレ行きたいってのは嘘だったんだ。

心春を休ませるためか……。

もし、酔ったのが私だったらなぁ……。

………なぁんてね。

「光陽…ありがとう。あ、飲み物代返す。いくら?」

「いいよ、返さなくて。俺が買いたくて買ったんだから」

─ズキッ

他の人に優しくしてる光陽を見たら胸が苦しくなる。

「ありがと」