「光葵。わざわざ来てくれたんだ?」

光陽の病室にいる私。

光陽は元気そうだ。

「うん。ごめん…。私のせいで……」

「光葵は悪くねぇよ。大丈夫だから。インハイ、決勝戦くらいには間に合いそうだからさ。だから勝ち進めよって皆に言っといて」

ホントに!?

「すぐ意識飛んだから全然覚えてねぇけど、出血が多かった割りに、なんともないらしい。奇跡的に捻挫と打撲程度ですんだし」

そっか。

「あんな落ち方したから、大怪我でもしちゃったかと思ってたよ。ホントに心配で心配で」

「気にすんなよ。それより合宿どーだった?」

「最初こそはシンミリしてたけど、大雅が頑張ってくれて、最後には元よりうるさいくらい!」

光陽との会話が楽しくて、楽しくてしょうがない。

あっという間に帰らないといけない時間。

「そろそろ帰るね。またお見舞い来るからね!」

「おう。待ってる。気をつけて帰れよ」

「うん、ありがと」