私は、大雅の隣に座って大雅の顔を覗きこむ。

「見んなや……。ホンマになんもないから……」

大雅の頬は涙で濡れていた。

「大雅……」

「何?謝罪やったら聞かへんで」

「……っっ」

涙する大雅を、どうしてあげることもできなかった。

「……はぁ…っ。俺もまだまだアカンなぁ…っ。女の前で泣くとか、ホンマ…っ、ダッサいなぁ……っっ」

「ダサくないよ…ダサくない……」

「………俺…っ、後遺症とかでもう光陽がバスケできへんくなるんちゃうかって…っ、そんなことばっか考えてまう…っっ」

私に背を向けて肩を震わせて泣く大雅。

「光陽……ゆっとってん……っっ。〝このメンバーでインハイ優勝したい〟って……っっ…。〝やっとチームが1つになったから〟……っそーゆっとってん…!」

大雅の涙声につられて、私まで泣きそうになる。