「大雅……」

私はステージに向かって走る。

「どないしたん」

泣いてたことがわかる、かすれた声。

「大雅こそ……」

「俺はお月見してただけやで?きれいな満月やなぁ?」

っ!!

「お月見は秋だし、今日は三日月だよ……。ねぇ…無理しないで……」

泣いてたじゃん……。

「別に無理してへん……」

「嘘。してるじゃん……。大雅…こっち向いて」

さっきから顔をこっちに向けてくれないんだ。