体育館につくと、扉が開いていた。

誰かいるの…?

光陽なわけないのに、光陽が自主練してるんじゃないのかって期待してしまう。

中に入ると、真っ暗で、月明かりだけが床を照らしていた。

体育館の一番奥のステージ。

ステージの隅に座ってる人影が見えた。

逆行で私からは見えないけど……。

「う……っ」

かすかに聞こえた嗚咽。

泣いてるの……?

それ以上、歩みを進められなかった。

だけど、思いに反して、足音を立ててしまった。

「光葵……」

向こうからは私が見えるみたい。

この声…大雅…。