その夜。

監督は戻ってこなかった。

雅樹先輩の話によると、明日には戻ってくるらしい。

「先輩…。体育館に行ってきます…」

なんとなく、行きたかった。

「うん。いってらっしゃい。私は先に寝とくね」

「はい」

部屋を出て、体育館に向かう。

朝、血まみれになっていた階段も綺麗になっていた。