残り1分。

「最後まで走れ!!!」

双葉の監督が怒鳴るのが聞こえた。

ボールが尚樹先輩の手に渡った。

ヤバイ。

そう思った時には遅かった。

─ザッ

尚樹先輩の美しいスリーポイントが決まってしまった。

44-45。

残り30秒もない。

「そんな……っ」

つい漏れた声。

「まだ諦めんな。アイツら、逆転するつもりだ」

玲先輩はこんなときでも冷静に選手たちを信じてる。