─ピィ!

監督の笛の合図で紅白戦が始まった。

「ねぇ。心春ちゃん。ちょっといいかな」

莉乃先輩の低い声。

「はい?いいですよ。何ですか??」

対して明るい声。

「光葵ちゃん、記録頼むね」

「あ、はい」

選手の動きを細かくメモする記録ボードを受け取る。

そして莉乃先輩と心春は部室に入ってしまう。

あの日を境に莉乃先輩の印象はバスケ部内でがた落ち。

心春の作戦通りの結果となってしまった。

でも、1つ心春の誤算だっただろう点は自分の評判もがた落ちしたこと。