私のメモ


武田さんは、レストランの担当者と、厨房に大袈裟すぎるぐらいの謝罪をして回った。
私はその隣について、同じようにペコペコと頭を下げて回った。

謝り続けているうちに、段々自分が犯罪を犯したような気分になってきて、ちょっと落ち込んだ。

武田さんは「誠意を持って謝罪すれば必ず伝わる」とか、「ミスは誰にでもある。大事なのは、その後の対応だ」と、私を励ますように呟いていた。


お客さんには、食事を終えるのを待って、直接謝りに行った。
すごく良いお客さんで、ご立腹の様子もなく逆に恐縮していたくらいだった。

レストランから、ドリンクやデザート、子供用のおもちゃなどをサービスしてくれていたようだ。(何かミスがあったときには、出来る限りのサービスをして、アフターフォローするのが普通らしい)


事務所へ戻るエレベーターの中で、武田さんは

「俺の指導が甘かった。もっとちゃんと引き継ぎをするべきだった。お前に普通レベルの仕事を期待することが間違いだったんだ」

と、肩を落としていた。

何気に失礼じゃないか。