結局、あたしたちは准一のお母さんに押し切られる形になって、6人で泊まる事になっていた。


あたしたちの親は迷惑がかかるからやめなさいと言っていたのだが、准一のお母さんがそれぞれの家に電話をかけて納得してもらったのだ。


「なんか、異様だよな」


6人で離れに移動してきた時、翔太が顔をしかめてそう言った。


「なにが?」


愛子が布団を用意しながら聞く。


「准一の母親だよ。なにがなんでも俺たちをここに泊まらせようって感じだった」


「確かに。ちょっとしつこかったよね」


布団の準備を手伝いながら美津が言った。


「そんな事言うなよ。准一は明日には完全にいなくなるんだから、その前に色々聞きたかったんだろ」


一番冷静にそう言ったのは渉だった。