「そうだ。あなたたちさえよければ今日はうちに泊まって行かない?」


突然の申し出にあたしは飲んでいたお茶を噴き出してしまいそうになった。


「そ、そんな事できませんよ」


あたしは慌ててそう言った。


いくら家が広いと言っても、今日は沢山の親戚たちが集まってきているのだ。


そこに6人も泊まるなんて、申し訳なくてできない。


「うちなら大丈夫なのよ? 離れがあるから十分に寝起きする場所はあるし、外にトイレもあるし。


お風呂は1つしかないから順番で入ってもらわないといけないけれど、ご飯も人数分以上に準備していたから、丁度いいの」


准一のお母さんは早口にそう言った。


どうやら、本当にあたしたちに泊まって行って欲しがっているようだ。


あたしは隣の渉を見た。


渉は困ったような表情をこちらへ向けている。


「ちょっと、親に連絡してみますね」


そう言ったのは愛子だった。