それから夕方まで病院にいたあたしたちだったが、准一の両親から家族が心配するから一旦帰りなさいと言われ、それぞれの帰路についていた。


准一は相変わらず眠ったままで沢山の機械に繋がれている。


ピッピッピッと心電図が規則正しい心音を教えてくれているけれど、それがいつ止まるかわからない恐怖が全身に染みついていた。


あたしが家に戻った時にはすでに周囲は暗闇に包まれていた。


長い時間病院にいたせいか、体に薬品の匂いが染みついているように感じられた。


「ただいま」


そう言ってドアを開けると、両親がすぐに出て来てくれた。


「准一君、大丈夫そうなの?」


両親はあたしが学校をサボってしまった事を咎めることなく、そう質問してきた。


あたしは「わからない」と、返事をするしかなかった。