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それから数日間は何事もなく過ぎて行った。


和夫がいなくなった教室は寂しく、覇気を失ってしまったようにも見えた。


だけど、日常は嫌でも戻って来る。


あたしたち7人も、寝て起きて、学校へ来て勉強をするというサイクルを同じように繰り返していた。


そんな日が続いた、日曜日。


朝からスマホにメッセージが入り、あたしはその音で目が覚めた。


確認すると愛子からだった。


『梢、今日会える?』


それだけの短い文章。


スタンプも絵文字も使われていないのは珍しい。


あたしはベッドに上半身を起こして返事をした。


『会えるよ。どうしたの?』


『会ってから話す。1時間後、ファミレスで』