この中で泣いていたのは美津1人だった。


美津以外の全員は、まだ和夫の死を受け入れられていなくて、泣く事もできずにいた。


「どうしたの美津?」


あたしは美津の顔が青白くなっていることに気が付いてそう聞いた。


「これを、見てほしくて……」


美津はそう言うと、スカートのポケットから1枚の写真を撮り出した。


それは、入学式の後みんなで撮影したあの写真だった。


「この写真ならみんな持ってるじゃん」


そう言いながら美津の写真を見る。


その瞬間、すぐに異変に気が付いた。


みんなもサッと青ざめたり、無言になったりしてその写真を見つめている。