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そろそろ夏が近い。


1人で帰路を歩きながら空を見上げると、そこには夏の入道雲に近い雲が浮かんでいた。


夏休みに入ったら渉との思い出を沢山作ろう。


彰のように、自分の命がいつ尽きてしまうかなんてわからないのだから、後悔しないようにしよう。


そう思いながら視線を横に流れる用水路へと向けた。


あたしたちがお墓に手を合わせて数時間後、美津と翔太の死体が見つかっていた。


あたしたちが彰の存在を思い出し、手を合わせたことで彰の気持ちが晴れたのだと思う。


その後、写真も元通りになったのだ。


沢山の仲間を失ってしまったけれど、あたしと渉には未来がある。


みんなの事は絶対に忘れない。