「渉君、ごめんなさい。まさか、あの頃一緒に遊んでいたあなたたちに危害が向くなんて思ってもいなかったの。彰君が怨むのは大人たちだと思っていたのに……」


お母さんはそう言い、息を吐き出した。


その姿は一気に何年分も年を取ってしまったように見えて、胸が痛んだ。


「彰は元気に育つ俺たちを見て妬んでいるのかもしれないですね。俺たちもちゃんと彰に謝るべきなのかもしれない」


あたしたちは何もやっていない。


それでも、あの公園で一緒に遊び、事故があった事はわかっていたはずだった。


幼すぎたあたしたちはなにもできず、ただ傍観者としてあの場にいただけだった。


「あたしも、彰に謝りたい」


もしかしたら、美津も翔太も彰に謝りに行くために、自らの体を用水路へ沈めたのかもしれない……。