「なにしてんだ!」


渉が声を張り上げて止めようとする。


が、その体を翔太が止めたのだ。


「翔太!? なにすんだよ!」


「行きたいなら、行かせてやればいいだろ」


翔太の冷たい声が響く。


信じられなかった。


美津が自ら用水路に飛び込もうとしているのに、そんな事を言うなんて。


「美津、やめて!」


あたしは必死に美津の腕にしがみ付いた。


これじゃあ彰の思うつぼだ。


あたしたちは全員連れていかれてしまう!


「離して!!」


美津は今までにないほどの力であたしの体を突き飛ばした。