「行かなきゃいけないの……」


「行くって、どこへ?」


美津は返事をせず、あたしの横を通り過ぎようとする。


「待って、それならあたしも一緒に行く」


どこへ行くのかわからないけれど、美津を1人にさせるわけにはいかなかった。


「あぁ、俺たちも一緒に行く」


後からついて来た渉がそう言った。


翔太は相変わらず興味なさそうな顔をしているが、一応一緒に来る気はあるみたいだ。


美津はなにも言わずフラフラと歩く。


あたしたちはそれについて歩くしかなかった。


今の美津に何を説明したって、きっと言葉は届かないだろう。