「丘に街の悪い部分をすべて吸収してもらうために、年に1度お祭りがあったのよ。闇丘祭りと言ってその祭りに参加をすれば、1年間悪い事は起こらないと言われていたの」


「そうなんだ」


そんな祭りはよく聞かれることだった。


昔の雨乞いがそのまま祭りになって、今でも続いている場所もあるだろう。


「闇丘の祭りは他のお祭りとは少し違っていたのよ」


「違う?」


あたしは首を傾げてお母さんを見た。


「そう。悪い事を吸収してくれる丘に、純粋で穢れのない子供を1人置いて帰るの」


「へ……?」


「もちろん、朝になれば迎えに行くんだけどね、夜の間中子供は1人で闇丘に残ることになる」


「なんで、そんなことを?」


そんなかわいそうなこと、とてもじゃないけれどできない。