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あたし達は近くのファミレスに来ていた。


渉が適当に注文をしてくれている間、あたしは彰との思い出を思い出していた。


彰とあたしたちは小学校の頃から知っている。


同じグループではなかったけれど、会話くらいしたことはあった。


だけど、彰と出会った時の事を思い出そうとしても、記憶は曖昧にぼやけて見えなくなってしまった。


それは幼い頃の記憶だから薄れているのだろうと思ったけれど、どうも違う。


彰の事を思い出そうとすればするほど、今までの記憶までボロボロとこぼれ落ちて行ってしまうのだ。


「渉、彰は本当に死んでるの?」


「あぁ。そう言う事になるよな」


渉はスマホを取り出し、また当時の事件について調べていた。


彰が公園から突如消えて、用水路で死体となって見つかった事件。


その真相は今だ闇の中のようだ。